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Fig.1 Hybrid Caisson

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Fig.2 Open Sandwich Panel

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Fig.3 Double−Box Caisson at Shimoda Port

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Fig.4 Sandwich Panel

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Fig.5 Structure of Composite Footing

合成構造による港湾施設の建設に関連して、構造設計に必要な力学特性の解明をめざして、筆者らはいくつかの基礎的な研究を行ってきた8)。合成構造の力学特性に関して、以下のような項目を港湾技術研究所で最近検討している。
(1)実物大形鋼によるずれ止めのせん断耐荷力の評価9)
(2)サンドイッチ部材のねじり、せん断、純引っ張りなどの力学性状の検討
(3)サンドイッチ部材の未充填部の影響評価10)、未充填検査方法
(4)フーチング、バットレス部材のせん断耐荷力の評価
(5)パネル化など省力化技術の開発
(6)接合部、隅角部などの構造細目の検討11)
本稿では、最近実施したせん断とねじりに関する研究を紹介する。
2. フーチングのせん断耐力について
2−1. 研究の目的
合成版式ケーソンでは、底版からフーチングを大きく張り出すことができる。合成版式ケーソンがRCケーソンよりも軽量*1であり、フーチングを大きくしても喫水が小さくて済むからである。RC部材より強度が大きい合成部材を用いることにより、フーチングを3〜5m張り出すことが容易にでき、構造的に工夫すればさらに大きく張り出すことも可能である。
フーチングを大きく張り出すことにより、ケーソンの転倒抵抗性が増し、かつ地盤反力が低減される。したがって、基本設計において転倒ないし地盤の支持力が断面決定に支配的となる構造物では、フーチングを張り出すことによりケーソンの重量を軽くでき、地盤改良などの基礎工事が低減される。
フーチングを大きく張り出すと、地盤反力によりフーチング基部に生じる断面力(曲げモーメントとせん断力)が大きくなる。曲げモーメントに対する合成部材の耐力は、鋼板を鉄筋に置き換えてRCと同様に計算できることが、既往の研究により確認されている1,8)。しかし、せん断耐力については、合成部材、RC部材ともに不明な部分が多い。
フーチングは、棒部材*2とディープビーム*3の中間的な形状を有する。こうした形状の部材における、せん断補強鉄筋(スターラップ)の効果は不明である。コンクリート標準示方書12)では、フーチングをディープビームと見なし、スターラップの効果を認めていない。一方、

 

 

 

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